センター長挨拶
福岡超集積半導体ソリューションセンター長挨拶

センター長 知京 豊裕
私たちは今、社会の大きな転換点に立ち、その中心にはAI(人工知能)の存在があります。AIがもたらす影響は極めて大きく、自動運転、教育、医療など幅広い分野に波及し、特にAIを組み込んだ手術支援ロボットや、データセンターを基盤とする新たな産業の創出へとつながっていきます。そして、これらの技術革新を根底から支えるのが半導体です。
福岡県は2025年8月、半導体産業の振興を目的として2011年3月に設立された「三次元半導体研究センター」と「社会システム実証センター」を統合し、設計・試作開発から評価・解析、さらには製品化に至る実証評価までを一貫して支援する拠点として「福岡超集積半導体ソリューションセンター」を開設しました。
前身の「三次元半導体研究センター」は、福岡大学・友景肇教授(2016年逝去)の卓越した先見性に基づき発足しました。教授は「今後の半導体産業振興の鍵は、チップを積層して性能を高める“三次元積層”や、異種チップを組み合わせ基板に実装する“チップレット”にある」との見識によりスタートしました。私自身も2013年に同センターを訪れ、大きな感銘を受けたことを今なお鮮明に覚えております。
現在、後工程分野における先端技術「超集積」のさらなる進展が強く求められています。「福岡超集積半導体ソリューションセンター」は、これまでの実績と知見を継承しつつ、技術の集積、知識の集積、そして人の集積を実現する場として発展させていきたいと考えています。素材・装置・部品メーカーが垣根を越えて結集し、大学や研究機関との連携を一層強化することで、新技術・新製品の創出を加速させ、持続的なイノベーションを推進します。
「後工程・集積化といえば福岡」、「福岡といえば最先端半導体実装」と広く認知される研究開発拠点の形成に、今後も全力で取り組んでまいります。
令和7年8月25日
知京 豊裕